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Open Sesame!

日々の観劇の感想や感じたこと

2015/8/16 『ウーマン・イン・ブラック 』渋谷PARCO劇場

 

 

友人からチケットを頂いて観に行きました。

 

 

※ネタバレを多分に含みますので、物語を知らない方、特にいつか観劇しようと思っている方は読まないことをお勧めします

 

 


岡田将生くんと勝村政信さんの二人芝居。英国ホラー。

舞台でホラーと言えば「死霊のはらわた」を観たことがある。でもあれはスプラッタコメディ。「アダムスファミリー」もゴシックホラーコメディ。本格的なホラーを、舞台で、というのは初めて。

でも、しょせん舞台だもの。映画と違ってリアルになんてできるわけないじゃない?なんて思っていた自分がもう。

 

 すみませんでした!!めっちゃこわい!!

 

私が座っていた席が、前方ブロックの一番後ろの端っこでちょうど扉があって。そこが開くたびに何か来るんじゃないかってドキドキして死にそうでした。

客席ってこんなにゆとりがあったっけ?ってくらい広く感じて、隣に座る友達にひっそり5センチくらい寄った(笑)

本当に怖かった!割とびっくりさせてくる演出だったからドキドキしすぎて、早く終わってくれって思ってたww

休憩があるって知らなくて、急に客席が明るくなった時も、ひぃ!!ってなっちゃったし。

でも、なかなか貴重な体験だった。蜷川さんの演出作品も初めて。照明の使い方とか凄く良くて、このセットがこう…ああ、なるほど!ってなった。

 

ステージは奥行きを利用し3ブロックに分かれてた。

前方(客席側)は基本いくつかの小道具の場所を変えつつシチュエーションを演出していく。

中央は子ども部屋を表しつつ、それ以外の時は布が掛けられて静かで人が住んでいない館(ホーンデッドマンションみたいな)感じっぽくて。

後方は階段になっていた。

前方にあるドアのセットが、けっこう目立つはずなのに照明が当たるまで存在感を失くしててすごいなあと思う。

役者が存在感あるからなんだろう。で、暗くなってそこだけに照明が当たると突如そこに現れたみたいな感じがしてすごく不思議。

暗い中の懐中電灯、静かな場内に走る緊張、付かなくなる懐中電灯、薄暗い照明、悲鳴の効果音、迫りくる馬車。キャンドルの淡い光に浮かぶ黒い影。

 

セットは最小限(つか作品ほどじゃないけど)で、観る側の想像力を非常に掻き立てる、役者の力量も出る。

劇場のマジック、これぞ舞台の醍醐味だ~~って一人で感動しちゃった。

 

最近は、映像を駆使した作品も多くて、それを否定するわけじゃないんだけど舞台という場所、本来何もない板の上、実現可能な限りのセット、あとは役者と観客。

そこに生まれる舞台の魔法みたいなものに心を動かされるからこそいいのではないかと私は思うわけですよ。

 

作中にもあったように、馬なんていない、馬車なんて本物はない。でも、箱の上で馬に鞭を打つ仕草をしながら体を揺らし音響が馬の蹄が地を蹴る音を流せばそれはもう立派な馬車じゃない?

それがいいと思うんだよね。だから、レミゼをまた観に行く気になれないのかもしれない(映像演出がちょっと苦手だった)。

 

 

ストーリーは…

『ウーマン・イン・ブラック』は、“恐怖”という感覚を見事にエンターテイメント化した作品です。

観客のいない劇場。本来なら何百という人の息が聞こえてきそうなその場所で、たった2人の男、中年の弁護士と若い俳優が、過去に体験した世にも恐ろしい出来事を、劇中劇の形を借りて再現していきます。

俳優は若き日のキップスを、弁護士は彼が出会った人々を演じながら・・・。

公式サイトからの引用。

 



弁護士役の勝村さんの演技が凄くて俳優ってすごいんだなと改めて実感。

岡田くん演じるキップスさんが出会う人々を見事に演じ分けていくものだから…

 

若き日のキップスは婚約者のいる弁護士。

孤独な館に住むドラブロウ夫人が亡くなり、仕事のためその館へ一人で…という内容。

現在のキップス、勝村さん演じる弁護士は、その時の恐怖体験をどうしても人に語りたいのだということで岡田君が演じる俳優のもとへ。

 

俳優と弁護士なので、最初は芝居をしようにもうまくいかない。

けれど、弁護士のキップスさんはどんどんうまくなっていく。それを喜ぶ俳優。

キップスさんも「サプライズを用意しますよ!」と張り切っている。

 

ホラー的内容に関しては、古典的でわかりやすいもの。

潮の関係で一日のうち数時間しか通れない道、そこに浮かぶ館、突如周辺を覆い尽くす海霧、底なし沼…

館の周辺に現れる黒い女の幽霊。その女の幽霊は自分の子どもを亡くした悲しみで呪いを…みたいな。

いろいろあるけど、端折るとこんな感じになる。

 

黒い女の幽霊が出ると、子どもが悲惨な方法で死ぬ。ある時は事故、ある時は病気…

その女の子どもは、ポニーがひいた馬車が転倒しそのまま流砂に飲み込まれ死んでしまった。

この真実を知った若き日の弁護士キップスを演じる俳優は、「自分にも娘がいるので、気持ちが入る」という話をする。それを聞いた弁護士は「娘さんを大事にしてあげてほしい」と強く伝える。

 

ポニーの馬車の足音と悲鳴を聞き、底なし沼で死にかけたり、勝手に開く開かないはずの扉や勝手に動くチェア、鳴り出すオルゴールなど数々の恐怖体験をしたキップス。

 

町の人の協力もあり無事だったキップスは、事件のことを忘れ、前向きに生きている。

婚約者と結婚し、子どもに恵まれた。ある日の休日、大きな公園でポニーの馬車に乗せてくれるというものがあった。

子どもが乗りたいと言うので、子どもと付添で妻が乗った。

楽しそうな二人。曲がり角をまがって見えなくなるのを見送り、戻ってくるまで公園を見渡す。そこには、休日を楽しむ人々。

 

しかし、ふと視界に入る黒い…黒い服の女。

 

転倒する馬車。放り出された子どもは…木にぶつかり、潰れ、悲惨な姿で草の上に転がっていた。

重傷を負った妻も、亡くなった。

 黒い女が現れその悲鳴とともに、舞台は幕を閉じる。


俳優は、素晴らしいと弁護士を褒める。弁護士はようやくすべてを人に伝えることができた、とどこか安堵した様子で「これで呪いが収まるといい」と言った。

 

俳優は言う。「あなたの用意したサプライズには驚きました!」

弁護士は答える。「はい、台詞を全部覚えてきました」


俳優は「違いますよ、あなたが用意したんでしょう!あの女優!頬が痩せこけた真っ白の、黒い服を着た女優ですよ!どこで見つけたんです?あんな人!」と言う。


弁護士は答える。「見てません…私は、その女優を見ていません!!」

 


俳優と弁護士は顔を見合わせた。

 

 

暗転。