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Open Sesame!

日々の観劇の感想や感じたこと

ミュージカル刀剣乱舞「三百年の子守唄」アイアシアター

 

3/19はアイアシアターで、千秋楽は配信で刀ミュを観ました!

一番の推しであるへし切長谷部がステでこれ以上ないという理想の長谷部であった今、私が刀ミュを観に行くことはあるのだろうかと思っていました。
しかし、今公演のキャスト発表があった時ににっかり青江が出ると聞いて思わず飛び上がりました。
長谷部の次を選べと言われたら青江と答える程度には、青江が大好きだ。
けれど、なんとなくステやミュで三次元化すること想定していませんでした。
更に、私の中の青江を好きという気持ちは長谷部を好きなのとは少し別で”うちの本丸の”青江が好きなのであって、他所の本丸の青江が好きなのではないということ。
にっかり青江という刀が背負う物語以上に、ゲームを進めていくうえでというか7面をクリアするうえで青江がどれだけ頼りになったか。うちの青江は最高だ…と、ゲームの画面に思いを馳せて…というか拗らせていました。

なんにせよ、うちの本丸の青江が一番!と思っていた。
とはいえ2.5次元も大好きな私がまったく三次元化を想像しないわけもなく、青江のかっこよさを表現するとしたら藤田玲くんかな~なんて勝手にキャスティングしていましたが。笑
しかし、青江の体格的に玲くんということはありえないし、ということは私の理想の青江はやはり三次元に存在しないのでは?と思っていました。

そんな私が聞いた第一報は友人からの電話。
「青江が出るって!」
「えっうそ!?誰!?」
「荒木だって!!」
「えええええええ!!行かなきゃ!!!」

今でこそ活動をなんでも追いかけるというスタンスではなくなったものの、
私が若手俳優のおっかけを始めた理由であり、「この世で一番美しいのは荒木」と長いこと拗らせている荒木くんが、にっかり青江。

うわっ!想像できる!!!

一番最初に思ったのはそれでした。
私が藤田玲くんを青江として想像したのは、セクシーさや意味深な台詞が似合うかどうか(あと眉毛濃い目が似合う笑)という基準だったのですが。

荒木くんだと言われて、そうきたか、と。
藤田玲くんの色気は妖しさを含め男のセクシーさ。
対する荒木くんは、どちらかというと女性的な色っぽさ。
オリジナルの青江となる声優さんの声が低く男らしいので男性らしさを重視していたけど、言われてみれば彼は脇差で細身のはずだし髪も長いしその路線も十分に有りだ。
とうらぶはステもミュもしっかりメイクしてくれるし、荒木くんの顔に青江のメイクはさぞ映えるだろうな、と。
それはそれは美しいに違いない。
微笑んで意味深な台詞を言うのも絶対に似合うし。
何より、演出が茅野さんということでそこにも絶対的な信頼がありました。
茅野さん演出の時の荒木くんは間違いなく綺麗だから。
ラストゲームの相本然り、鴉の寅吉然り、淋しいマグネットのトオル然り。
つまり、間違いなく美しい青江が見られる!

推しが推しを演じるというよくわからない現象に混乱しつつ、とりあえずオフィシャルの有料会員となり申し込んだ先行でありがたいことにチケットがご用意されて観に行くことができました。


『三百年の子守唄』


終わってみると、とても秀逸なタイトルだとわかる。

にっかり青江と大倶利伽羅が遠征に向かった先で、徳川家康となる赤子のいる家つまり松平家が時間遡行軍に襲われ家臣たちが皆死んでしまう。
生き残った赤子を家康として育てるために、二人を含め隊長の石切丸、物吉貞宗、蜻蛉切、千子村正が家臣の代わりとなり元の歴史を歩むというストーリー。

家臣たちの子孫は…などと、細かいことを気にすると刀剣乱舞の時間軸や世界線やタイムパラドックス的なことも同じことになってゲーム自体を否定することになりそうなのでやめます。

日頃、西軍贔屓!と言っている私ですが徳川家康という人はやはり凄い人です。
清濁併せ飲み、たくさんのことを乗り越え駆け抜け戦い生き残り、そして泰平の世をつくった、今に繋がる時代を築いた人。

子である信康が、心優しく戦国の世を生きるには辛い花を愛でる子として存在していましたが、では家康は何も犠牲にしなかったかというとそうではないと思う。
少なくとも、この作品での家康はそういう人だった。
自身も、親のいない悲しみの上で戦国の世を立派に生きぬいた。

最後、家康が眠りにつく時に
家康様が築いた泰平の世は、そこかしこから子守歌が聴こえてくる。そんな素晴らしい世が三百年も続いた。
と、物吉くんが言うのを聞いてじんとした。
ああ、三百年(みほとせ)の子守歌とはそういう意味だったのかと。

命短い人と違い、全てを見てきた刀剣だからこその刀剣乱舞らしいストーリーだったと思います。

特に印象に残ったのは、物吉貞宗役の横田龍儀くん。
初舞台だったということで、確かに周りのキャストと比べてしまうと技術的に見劣りしてしまう部分はあったように見える。
けれど、とにかく明るく可愛くて、本当に幸運を運んできてくれる、そう思える明るいオーラを持っていた。
配信で観ると顔がアップで映される。最後に家康様を支えながら涙ぐみ子守唄を歌い、にっかり青江に「笑いなよ」と言われた時の表情なんて本当に素敵だった。
主を物凄く慕っていながら刀としてやるべきこと果たすべき使命はわきまえている、そんな切なさが彼の表情に表れている気がした。
その可愛らしさの裏にある強さが垣間見える、そんな物吉くんでした。
二部での石切丸さんとの曲は、キュートさが満開すぎて審神者の私が桜を舞わせてしまいそうだった。

倶利伽羅役の財木くんは、どの角度から見ても大倶利伽羅なのですごいなと。
本人は可愛らしい感じの顔立ちなのでずっとクールな表情でいるのはもったいないと思うけど、台詞が多くない分立ち振る舞いなどでキャラらしさを出すのは大変だったと思う。大倶利伽羅の不器用さ、優しさが見える役作りだった。 
彼に関する脚本は安直すぎるような気もしたけど、あくまでサポート的な位置だからあんまり掘り下げるわけにもいかなかったのかな。
二部の伽羅ちゃんはジャ〇ーズでしたね。かっこよすぎです。

spiさんと言えばRENTのベニー!と、言いながらサングラス掛けてブルドッグのマネしたい気分ですが、今回は蜻蛉切さん。
蜻蛉切はあの本多忠勝の槍。その辺の細マッチョな俳優がやってもハマらない役だと思います。spiさんの身体の厚みは見事でした。
自身が忠勝様の代わりになるなど、と葛藤していましたが物吉くんに諭されて戦場に駆けていく姿、良かった。蜻蛉切さんが根明でよかった。
槍の訓練をしながら赤子を抱えるspi蜻蛉切を見ていると「どうしたんだ~ベニー人が変わった~な~♪」と歌いたい気持ちに。笑
二部ではジャス〇ィン・ビー〇ーのライブが始まったかと思いました。
隣に青江と村正をはべらせていると、まるでタイのショーパブ。

もっくんが村正と聞いた時は、体格の違いにどうなるんだろう?と思ったもののとてもハマっていました。
登場したばかりの村正というキャラクターは大変だったと思う。
体をくねらせしゃなりしゃなりと歩く姿、元の主はマリリン・モンローなのでは?
自身が妖刀であることから徳川家と距離を置く優しさや、最終的にはみんなの輪に入りたがる可愛さ、青江と二人になるといつもの調子が出ないところなど見どころ満載でした。歌はうまいし声量もあるし顔は綺麗だし、こんなうさぎのしっぽをつけてもおかしくない30代男性がいていいのだろうか。
二部はスレイジーでした。

にっかり青江が荒木くんで、荒木くんがにっかり青江で…!?と、脳内が混乱しましたが、荒木くんの青江はとても良かったです。
どうなるのかな、解釈違いにならないかな、と思っていたけど想像以上にハマってたいたし違和感もなかった。荒木くんだからこそなんとなくどんな青江か想像ついてしまう部分があったけど、それよりもずっと上を行く青江でした。
美しくて凛としていて、低く腰を落とす殺陣が機動高そうで脇差らしくて。長い髪を撫でつける仕草がうつくしくて。
少し遠くからみんなを眺めているところは、荒木くんに似ています。
初めての赤子に、その感触に戸惑う姿を見ると、青江が生きていると実感できました。生きている青江はこんな風に喋って、こんなふうな距離で他の刀や人々と接している。
石切丸さんに何度も無視されてしまうのでどうしてこんなに可哀想なんだと思っていたけど、それは青江自身が石切丸さんの抱えているものに気付いていて、
石切丸もまたそれに気付いていたから避けていて、そしてさらに青江もそんな石切丸さんを理解して無理に話をしようとすることもなかった、と。
石切丸さんと青江について深く考えたことがなかったので、この本丸の二人を見てなるほどと思いました。互いに思慮深すぎて、でもそんな不器用さが”心を持ってしまった刀"という感じで、刀剣乱舞っぽくて面白かったです。
「一緒に笑うくらいはできる」というのも、青江らしい一歩引いた考え方でよかった。というより、この作品のおかげで、青江という刀をよく知ることができた。
太刀ではなく、かといって小さな脇差でもない微妙に大人な雰囲気は刀ステの薬研の立ち位置に近いのかもしれない。
二部の青江は背中がもう…何も言えません。肩が片方だけ露出する造りだったので、(チャームポイントとはいえ)広すぎる肩幅が強調されず華奢に見えて良かったです。全力で大きく踊る姿は、ああ荒木さんだなと。

最後に、石切丸さん。
崎山くんの石切丸を見るのは、生では初めてだけどトライアル公演の配信を一度だけ見ています。その時はあらすじ的にもこれといって深く印象に残ることもなかった。
なので、今回はとてもびっくりしました。
徳川家康の家臣を演じることになった時、石切丸は自分から”服部半蔵”になると言った。半蔵と言えば忍者なので、忍者を機動の遅い石切丸さんが…という単なる笑えるシーンなのだと思っていた。
しかし、実際は服部半蔵が信康の介錯を命じられる立場にあると知っていて、自身から名乗り出ていた。
家康を育て支え、その子である信康の誕生と成長を見守っていくのに、殺さなくてはならないという辛い任を自ら買って出たということだ。
戦刀ではなく、人と深く関わりながら存在してきた優しい石切丸だからこその行動であり、この本丸の石切丸だからこその決断だと思う。

崎山くんは、初演から座長を務めてきた流司くんから引き継いでの座長。
プレッシャーが無いはずも無く、大変だっただろうと思う。
そんな崎山くんの背負うものが、石切丸のそれとリンクしていた。責任感と覚悟が立っているだけでも伝わってきて、やわらかい雰囲気なのにどこかピリピリと張りつめていた。とても素晴らしかった。
他の誰が演じてもこうはならなかっただろう。彼でなければ演じることのできない石切丸になっていた。
本当にお疲れ様でした。

最後に、ライビュが先行一般ともにチケットを取ることができなかったけどパセラでビールを飲みながら観るのもまた楽しかったです。
刀ミュの次の舞台はどこでしょうか。