Open Sesame!

日々の観劇の感想や感じたこと

安西慎太郎

安西慎太郎一人芝居「カプティウス」

理解できない作品ってのは時々ある。それは、単純に脚本がつまらないとか演出が合わなくて、なんていうのとは別。そもそも理解の定義とは、という話になるがここでの”理解”は物語の筋道がわかってどういうことを言いたいのか伝わってくること、だとして。物…

『スーツの男たち』アトリエファンファーレ高円寺

ラストの、ボビーがマックスの下ろされた前髪を撫でつけ後ろに流そうとする仕草。たったそれだけのことが、どうしても哀しかった。 『スーツの男たち』 たった80席の狭い劇場は、最前列に座ると爪先がステージに当たる。当のステージはほんの段差程度しかな…

1/29「幸福な職場」世田谷パブリックシアター

観ている間、なにもお涙頂戴シーン満載というわけでもないのに、何度も涙が出てきた。それは、この話が”実話”であるということを実感すればするだけ温かい気持ちで胸がいっぱいになって止まらなかったからだ。脚色されていることはわかっている。けれど、現…

『幽霊』ヘンリック・イプセン 紀伊國屋ホール

この作品は、朝海さんが演じるアルヴィング夫人は、私自身が女であることを浮き彫りにした。だから、込められた皮肉や滑稽さを理解してもなお、彼女に同情する気持ちを抑えることはできない。それが本能的なことなのか『幽霊』によるものなのかは、わからな…

舞台『喜びの歌』DDD青山クロスシアター

「じゃあ、なんで死んじゃわなかったんです?」 キラキラとした目で無邪気に問いかける彼を怖いと感じるのは、二度目の観劇から。 『喜びの歌』 背景は近未来。政府によって様々なことが制限され、個であることを禁じられた人々はお互いを監視している。しか…

2015/12/30「晦日明治座納め・る祭~あんまり歌うと攻められちゃうよ~」明治座

第一部:お芝居「将の器~泣くよウグイスHEY!HEY!HEY!~」 観終えてすぐ、バッドエンドだと思った。 坂上田村麻呂は、人の心の声が聞こえてしまう。そのため人間不信で感情はとうに捨てたと言い、動揺などしない能面のような男。一方阿弖流為は、蝦夷のリー…