Open Sesame!

日々の観劇の感想や感じたこと

3/8「舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~スタートライン~」TDCホール

 

とうとう、ペダステデビューをしました。


余計な理屈関係なく、

とにかく面白い!!!

私はアニメ1~10話と、今期放送しているぶんと、あとペダステが過去何度か放送されていたのを観た分でしか弱虫ペダルについて知らない。
でも、とにかく、もうとにかく面白い!!!

元々、ペダステ初演をDVDで観た時に「なんだこの面白い舞台は!?」と物凄く驚いた。
それでも、どうしても推しが出演している舞台や海外ミューなどが優先されてしまいなかなか会場へ足を運ぶまでに至らず。
今作では和田君が今泉君を演じるということで観に行くきっかけができたなと思った。そして、前作が無料配信されていたので予習と思って見てみた。
それがもうあまりにあまりに熱くて、テニミュやハイステを観るのとはまた違うよくわからない感情が込み上げてきてとにかく泣いた。
私はこれを観に行くんだと思うと堪らなくて、溜めていたアニメも見て、楽しみのボルテージがMAXになったところでTDCホールへ向かった。

やっぱり、面白かった。

とにかく、動く、動く!体力勝負とはまさにこのこと。
必死に動いて、息を切らして、ペダルを回している。そんな彼等を見ていると、どの学校も関係なく頑張れって応援してしまう。

 

前半の、1000km合宿。
インハイメンバーを決める争いをする手嶋と古賀。
前作までメカニックでありつつ何かあることを匂わせていた古賀は、選手になると急に雰囲気を変える。
そして、実はメンバーを決めたと言うのは嘘、決まっていないのは「俺だ」と言った手嶋。
努力が天才に勝つ、そう信じる。
これは、少年漫画の永遠のテーマなんだなと思った。(ナルトとネジを思い出しつつ)
現実はどうあれ、努力が才能に勝る瞬間というのは感動的だ。
凡人である手嶋と、天才である古賀。間違えてはいけないのは、努力しているのは手嶋だけではなく古賀も同じだということ。同じ努力家ならば天才が勝って然るべきだけど、それでも手嶋が勝ったことに「なんで?」と思わせない程の熱量。
古賀はホープで期待され、でも凡人の自分は期待されない古賀が羨ましいと感じていた手嶋さんの
「頑張らないと期待なんかされない!!」
という言葉にグっと込み上げるものがあった。
脚が動いてるのが不思議なくらいだ、そんなギリギリの手嶋を表現する鯨井君の熱さ。
あれはもう前作の映像を観た時にも感じたけど、本当に今にも倒れちゃうんじゃないかってくらい必死にペダルを回してて、応援せずにはいられない。

そんな手嶋には、もちろん青八木もいる。
決着がつく時、できたら応援してほしいと控えめな手嶋。
そんな手嶋の走りを見ながら青八木が「お前以外の誰を応援するっていうんだ!!」と声を荒げた時に、涙腺は崩壊。あ~~チーム二人…
声や表情含めて八島君の青八木君とても良いです…

そして古賀も、過去の期待、怪我、金城さんへの信頼。
いろんなものを背負って走っている。結果は手嶋に負けてしまったけれど、980kmの男が三年かけて完走したんだ。
最後に「俺は怪我には詳しいんだ」と言った時には、私だけでなく周りみんなハンカチで顔を押えてた。わかる…ここで泣かなくてどこで泣くんだ。
なんて熱いんだ弱虫ペダル

熱いシーン以外にも、この合宿のために敢えて負荷をかける自転車に乗っている今泉鳴子の二人のやりとりが可愛かった。(うろおぼえ)
「なんやスカシ~そのダッサいホイール!こづかい落としたんか!」
「ああそうだ、別にこの合宿用に用意したとかそういうんじゃないからな」
「せやけどワイの方がダサイ~!ワイのホイール集合~(手招き)」
(やってくるホイール)
「ワイのは2キロや!」
「俺のは3キロだ」
「ワイのは4キロや!」

最終的に「80キロや!」「81キロ」ってなって相当重いことになってしまっていて、笑ったw
この二人は新キャストだけど、テンポもよくて聴き取りやすかった。

合宿が終わり、青八木と鏑木のシーン。
青八木が着替えている時に、秋元くんがロッカーになっているんだけどこういうキャストの使い方がペダステは面白いと思う。自販機とか(笑)
やりすぎなくて、笑いの引き際がしっかりしているから安心して笑えるし。
あと、パズルライダーの人がセット動かしながら見守ったり頷いてたりするのがたまらなく好き。

鏑木は、自身がオールラウンダーだと思い込んでいるけれど、本来の脚質はスプリンター。敢えて言わないでおこうという手嶋の言葉を守るものの、ちょっとアドバイスをしたい青八木は鏑木が好きなオレンジビーナのペットボトルの下にそっとメモを仕込んでアドバイス
おばかな鏑木はオランジビーナの神様からのアドバイスだと信じ込む。バカは可愛い。

そして、インターハイ

いやもう小鞠くんが凄い。
なんてできる子なんだ芝居も声も動作ひとつひとつも。小鞠役の天羽くんを思わず調べ事務所を見て納得。踊れる子の動きは本当に綺麗だし、安定感もある。その仕草だけで小鞠くんというキャラクターの形が見えてくる。ペダステはアニメより先に進んでいることもあって何人かのキャラクターには声優さんの声がついていない。つまり、2.5次元で、しかもアニメまで放送している人気作でありながら俳優側が最初にキャラの声をつくる。元がない中であれだけインパクトの強いキャラを押し出してくる天羽くん凄いです。小鞠くんがどんな子なのか、どう走るのか、早く見たい。

待ちに待ったインハイの会場は栃木。

会場につくと選手が「ぞろぞろぞろぞろ」自転車が「ずらずらずらずら」からの観光客が面白すぎて。
和田君と秋元君、パパと子どもになってて仲良しすぎるし(笑)
「お父さんソフトクリーム食べたい~!」「買うたろ!」
「宇都宮餃子食べたい~!」「おっちゃんが焼いとるな、買うたろ!」
りんたこでの話によれば、シャトナーさんが和田君と龍君に何かやってほしいと言うことでこうなったとか。「和田でいい」ということで関西弁。パパなりと龍坊可愛い。
「これが栃木かーーーい!」

向かうバスの中で、会場には報道陣がいると大はしゃぎの総北。
小野田「七三分けにした方がいいですかね?」
鳴子「ワイの関西弁変に思われへんかな?」
今泉「あああああああ!俺、声がらがらじゃないかな」
と、大騒ぎのバス内とツッコミを入れまくる手嶋さん。みんなリクライニングにされるところ笑ったw
今泉「リクライニングもどしまーす」
↑半分くらい和田
そして、やってくる寒咲さん「本当はもっとイケメンでもっといいこえ~~~~~♪です!苦肉の策です!」
これ大好きなので生で見れて嬉しい(笑)

総北は期待してバスを降りたものの、実際に取材されているのは箱学。
さすがは王者、キメポーズもお手の物。

インハイが始まると、ファーストリザルトを誰が獲るかの戦いに。
スプリンター対決。箱学からは銅橋、総北からは青八木と鏑木。

バカとは強いものなのだなと実感。
銅橋の獣のようなオーラにも怯まず挑む鏑木は強い。
そして、その場で的確な判断をし後輩に託した青八木も。
鏑木が自分はオールラウンダーだからと引っ込みそうになった場面でとっさにだしたオレンジビーナの神様の便箋(笑)
まさかこんなところでさっきの設定が生きてくるなんて…!
小野田を、総北をバカにした、銅橋なんて抜いてやれ~!と鏑木が頑張るものの、銅橋にも負けられない理由がある。

体のでかさ、その気性等ではみだし者扱いをされていた銅橋だが、泉田だけは「はみ出せ」と言ってくれた。
体格や持っている武器を使えと。泉田は、銅橋の個性を認めてくれた人。
そんな泉田さんに出されたオーダー。ファーストリザルトを獲ってこい、そう言われて銅橋には獲ってくる以外の選択肢なんてない!
私はこういう関係性に弱い。この人!と決めた人についていく。強い信頼の元に、その人の言葉の通りに動きたい。その人のために働きたい、働きを見せたい。ある意味で主従のような二人だと思う。

スポーツ漫画全般に言えることだけど、主人公校から見れば敵校でもその学校にはその子たちだけのドラマがあるんだよね。
こういう信頼する先輩の為(小野田や古賀とかも)、親友のため(T2とか)、みんな自分以外の大切なものを背負って戦ってる。

小野田君がインハイが始まる前に自分のゼッケン1番の重みにプレッシャーを感じていた。
それは当然で、去年の優勝は三年生も含めた全員のもの。しかし、小野田くんは自分一人で”1番”を背負う気分になってしまい震えていた。
それを支えてくれるのはやっぱり仲間で、みんなで、仲間がいるからこそ背負うものの重み自体は増していくけど、仲間がいるからみんなで持てる。

あ~~~仲間っていいな…なんて青春なんだろう…

まだその”みんな”をいまいち理解しきれていなかった鏑木君も、銅橋との勝負に僅差で負けたことでその重みを知る。
親友でインハイメンバーになれなかった段竹や、最後のインハイになる三年の古賀、インハイメンバーになることを競った杉元。
自分はその三人よりも強いから彼らを差し置いてインハイに出たのに、負けてしまった。
だから顔向けできない、そう思っている鏑木に三人は手を差し出してハイタッチしてくれる。

どうして、と思ってしまう鏑木のその感情こそが成長だな…と思うとまた感動して涙が。
彼自身元々チームをおろそかにする子ではないけれど、この辺はまだ一年生なんだなと思った。可愛い子です。
その後歌う時に、拳を上げられず気まずそうに下を向いていたけど、最後はみんなと一緒に力強く腕を振り上げていたり。
最初はどうなるかと思った鏑木君だけど、良い子でよかった。総北みんな良い子だ。総北以外もいい子だ…(涙)

まだまだインハイは始まったばかり。
良いものを観た。次も絶対にいくぞ!!
笑いと感動のバランスが本当に絶妙で、基本的にはストレートのお芝居だけどエンタメ性にも富んでいて観ていて飽きない。

カテコの「ひめのくるくるかたおもい」の時の醍醐くんが客席に向かって
「準備はいいですか~?って言ったら、ミュージックスタート!って言ってください」
と言ったので「え?スタートしちゃっていいの?笑」と思っていたら他の面子からツッコミを受けていたので安心した(笑)

醍醐くんは本当に小野田君みたいにぽわ~っとした子で可愛い。

それぞれの学校でアレコレ仕込んで小ネタをやるものだから、和田君が耐え切れずツッコミ。
和田君の「色々仕込んでくるなあ!」に対し、とんちゃんが横からひょこっと「大丈夫?何もやらなくていいの?」と余計なひと言。
「いいの?いいの?」としつこいとんちゃんに、鯨井君が便乗。
「本当にいいのか?ほら、練習してただろアレ」と言い始めて、本当に何もなくて困惑している和田君に客席も拍手して便乗ww
結局のところ何もせず終わった後「地獄みたいな先輩ばっかりや!!」と叫んだ和田君に「ごめんね」と言ったとんちゃんは、本当に葦木場くんっぽいなと(笑)
和田君は、きっと自分はツッコミキャラだと思ってるけど本当はいじられキャラだよなあ…本人はそう思ってないだろうけどってところが可愛いです。

ひめくるを踊る直前、泉田役の河原田くんが何かを置いていたのでなんだろう?と思っていたら終わった後、まつげが汗で取れてしまったので、置いたと(笑)
すかさず和田君が「片まつげくん」と呼んで「誰が片まつげくんだ!」とツッコミ。

和気藹々としていて、けれど締めるところは締まっているとても良いカンパニーだったと思う。

ペダステを観ていると、演劇って面白いな!と感じる。
舞台というものの可能性はまだまだ無限だ。
本来なら存在していないものが、舞台の上には見えてくる。
自転車が見える、自販機が見える、ロッカーが見える、トイレが見える。

こういう演劇が好きだ。